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〜ハエの見方を変えてみよう〜
文責 高一丸山漱一朗
現在新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっている。そんな中、人間の免疫力に助けられている人も多いと思う。筆者も最近生物の授業で免疫について習ったばかりなのでその話題に触れていきたいと思う。
まず皆さんに質問をしたいと思う。2011年のノーベル医学生理学賞受賞テーマは何か知っているだろうか?正解は『自然免疫の活性化に関わる発見』これは自然免疫という最も基本的な免疫の仕組みを明らかにしたということである。もし免疫系に興味を持った人は『はたらく細胞』を読めば良くわかるので興味があったら読んでみて下さい。(ちなみにうちの学校の生物教員が授業中に読むことを勧めていました。)ではいったいこれと昆虫に何の関係があるのだろうか?
まずこの自然免疫において一番大切なことは自分の細胞か抗原(ウイルスのような非自己のこと)かをきちんと見分けることである。その際、外敵に反応するセンサーのようにはたらくのがToll様受容体である。これはもともとショウジョウバエの背と腹の軸を決定するToll遺伝子と似たような遺伝子配列を持つ遺伝子がマウスでも発見され、それからできるのがToll様受容体だったのだ。
正直な話これら二つが何故似ていたのかは調べた僕も良くわからなかったが、人間の体の機能に似たものが昆虫にあり、それが人間自身を研究する上で役に立っている事がわかった。
また、筆者が中学校1年生だった頃にお邪魔させていただいた筑波の研究所でDOHaDという将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは胎児の時や生後の早期の環境に関係しているのではないかという分野を腸内の細胞の有無によって決定されるのではないかという考えのもと研究をしているところにお邪魔させていただいた時、実験生物としてショウジョウバエが使われていた。
理由を聞いてみるとすぐに増えるので実験結果が見やすかったりなどがあるが、一番大きいのはほとんどすべての遺伝子が何に相当するかが判明しており、実験しやすいからだと言っていました。この様にショウジョウバエは我々の医学の発展や人間についての探究などの分野において大きな役割を果たしていた。普段嫌なものとして見られることの多いハエ類もこの様な考えから見て見たら少しは違って見えるのではないだろうか?
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